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IoT機器をコイン電池駆動からソーラーパネル駆動にしてみた

様々なバッテリー駆動IoT機器が販売されていますが

コイン電池やボタン電池で駆動するIoT機器は、電池寿命1年という商品も多くあります。

センサーのサンプリング間隔を早くすると電池の消耗も大きくなるため

10分に1回のサンプリング間隔で電池寿命数年という表記をする企業が多いです。

「※10分に1回データ取得時の数値」みたいな注意書きはアルアルですね。

しかし、購入者側から見ると

「もっと早い間隔でデータを取得したい!」

と感じるケースもあるのではないでしょうか。

今回はそのようなお悩みを解決できる1つの提案として

コイン電池駆動の温湿度センサーダミーコイン電池USB駆動化

さらにソーラーチャージャー無限の電力を供給できるように改造してみました。

構成


構成は以下のようになります。

ダミーコイン電池 (DB-R2032N)
・温湿度センサー
窓に取り付けるソーラーチャージャー (IZA)

USBケーブルはIZAにオプションで付属されている物を使用しました。

USBケーブルを通す穴をあける


まずダミーコイン電池を温湿度センサーに挿入した際に

USBケーブルを通す穴をあける必要があるので

温湿度センサーの電池のフタに穴をあけていきます。

USBケーブルの芯線のみ通ればよいので、1.5mmほどの穴を2ヶ所あけ

その後穴を繋げるようにヤスリで削り細長い穴にしました。

USBケーブルの芯線を出す


IZAにオプションで付属されているUSBケーブルはTypeA-TypeCのケーブルになっています。

今回はTypeC側のコネクタをニッパーで切り落とし

その後ケーブルの被覆を剥いて芯線を出しています。

芯線は4本あります。(V+, V-, D+, D-)

芯線をよく見ると電源線であるV+とV-は少し太くなっています。

データ通信用のD+とD-は今回使用しないので

被覆を剥いた根本で切り飛ばしました。

電源のプラス側であるV+はピンク色の線で

電源のマイナス側であるV-は黒色の線になります。

ダミーコイン電池とUSBケーブルを接続


芯線を出したUSBケーブルとダミーコイン電池をはんだ付けして接続します。

ここで注意点があります!

1. 必ずUSBケーブルをフタに通してからはんだ付けすること!
2. 芯線の被覆が溶けやすいので注意すること!

上記2点ははんだ付けしてから気づくことが多いので注意です!

実際に私は最初フタを通さずにはんだ付けしましたw

また、USBケーブルの芯線は細いので追加でポッティング加工も行いました。


黄色いのはマスキングテープで

ポッティング後乾かす時にフタがシリコンにつかないようにしています。

ダミーコイン電池を温湿度センサーに組付け


特に難しいことはありませんが

配線がねじれたり、引っ張ったりしないように

ダミーコイン電池をケースに入れるようにしてください。

ソーラーチャージャーにセンサーを取り付ける


今回はソーラーチャージャーのフタに温湿度センサーを取り付けれるようにするため

フタの部分のみ新しく設計しました。

設計データは3Dプリントメーカーに依頼して出力してもらいました。

実際に温湿度センサーをソーラーチャージャーに組付けると以下のようになります。


窓に取り付けるソーラーチャージャー IZAは

モバイルバッテリー等で標準機能としてあるオートパワーオフスリープといった

出力電流が低い時に出力を自動で停止する機能を解除することができます。

今回はIZAのスリープ機能をOFFにすることで

消費電力が小さいIoT機器でも正常に動作させることができています。

まとめ

今回はIoT機器の代表格とも言える温湿度センサーを

ダミーコイン電池とソーラーチャージャーで長時間駆動できるようにしました。

今回の改造を応用すれば

位置検出等のBLEを使用したビーコンもサンプリング周期を短くかつ

長時間駆動させることもできるのではと考えております。

IoT機器で電池寿命にお困りごとがある方は

このような改善方法も試してみてください。


ダミーコイン電池の詳細はこちら
窓に取り付けるソーラーチャージャーの詳細はこちら