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【エンジニア向け】CR2032は1種類じゃない!コイン電池選定時のポイント4選

こんにちはCyack Labの藤原です。

今回はエンジニア向けにコイン電池(CR2032)を選ぶ時のポイントを紹介していこうと思います。

コイン電池といえど色々な種類のコイン電池が各メーカーから販売されています。

様々なコイン電池がある中でこの記事を参考に製品にあったコイン電池を選択してもらえばと考えております。

また、この記事を読むことでコイン電池に関する知識も深まると思いますので、ぜひ最後まで読んで知識を深めて下さい。

CR2032とは

CR2032とはコイン電池の規格の名称で、

コイン電池の大きさや正極部分にどのような材料が使われているか等の情報が記されています。

1文字目の「C」はコイン電池の正極に二酸化マンガンが使用されていることを表しており、

その他にB = フッ化黒鉛等があります。

2文字目の「R」は円形であることを表しています。

数字で記載されている部分の最初の2桁は直径を表しており、最後の2桁は高さ(厚み)を表しています。

CR2032の場合は直径が20mmで高さが3.2mmであることを表しています。

規格に沿って各メーカーがコイン電池を作っているなら差はほとんどないのでは?と思うかもしれませんが、各メーカーから色々なタイプのコイン電池が販売されています。

そこで今回は大きく分けて4つのタイプのCR2032を紹介していきます。

この記事を参考に製品に適したコイン電池を選定して頂ければと思います。

CR2032の選び方

CR2032の選び方は大きく分けて

メーカーで選ぶ」「容量で選ぶ」「出力特性で選ぶ」「温度耐性で選ぶ」

この4パターンに分かれると考えております。

以下にそれぞれの選び方の特徴やポイントを紹介していますので参考にしてください。

メーカーで選ぶ

メーカーで選ぶ際はまず国内メーカーを選択するか海外メーカーを選択するかで価格や品質の違いが出ます。

品質でいうとやはり国内メーカーの方がよいと考えられることが多いです。

国内メーカーで一番有名なのは「マクセル」でしょう。

この他にも「パナソニック」や「ソニー」「FDK」「村田製作所」等があります。

国内メーカーと海外メーカーを比較すると電池寿命や安全性、品質面で国内メーカーが優位にある一方海外メーカー制は価格面で優位にある構図があります。

容量で選ぶ

CR2032は公称で容量が220mAhとなっていますが、大容量タイプのものも発売されています。

マクセルからは「CR2032H」という公称容量が240mAhのものが発売されており、

少しでも大きい容量のタイプを選択したい方にはおすすめです。

出力特性で選ぶ

通常CR2032で高い電流を流すと電圧降下が大きくなり、最悪機器の動作が停止することがあります。

IoTが進むなかでセンサリングや無線出力等一時的に大きな出力を必要とする機器もあるため、

各メーカーで高出力タイプのコイン電池が発売されています。

例えば村田製作所では「CR2032R」という大電流タイプのものが販売されており、最大放電電流が標準のものに比べ約2倍出力できるようになっています。

標準タイプのコイン電池では動作が難しかった機器でも、高出力タイプであれば駆動できる機器もあると思います。

一時的に大きな出力が必要な製品には高出力タイプがおすすめです。

温度耐性で選ぶ

IoTが進むなかで過酷な環境下でも使用できる機器の開発もすすんでおり、それに合わせてコイン電池も高い温度環境下でも使用できるものが各メーカーから販売されています。

例えば村田製作所では「CR2032W」という耐熱タイプのものが販売されており、

標準タイプでは使用温度範囲が-30~70℃なのに対して耐熱タイプは-40~125℃と使用温度範囲が広くなっています。

コイン電池の使用温度範囲が狭いために製品が使用できない場合は、耐熱タイプのコイン電池を使用することで過酷な環境下でも使用できるかもしれません。

標準タイプでのおすすめ

色々なコイン電池を紹介してきましたが私がおすすめする標準タイプのコイン電池はパナソニック製のコイン電池になります。

なぜパナソニック製をおすすめするのかというと、理由は1つで一番長持ちするからです。

使用環境や使用方法で変わるとは思いますが実際に放電特性を測定するとパナソニック製のものが一番長持ちします。

コイン電池駆動させる機器で駆動時間は重要な要素になります。

駆動時間は時に製品の基本性能以上に重要視されることがあり、お客様が製品を選ぶ際に駆動時間が長い方を選ぶことはよくあります。

コストダウンによって安いコイン電池を使用したがために駆動時間が短くなり、お客様が他社製品を買ってしまうということは避けたいところです。

2021年9月現在半導体不足に加えコイン電池の供給量も減っているそうです。
その中でパナソニック製コイン電池の模造製品も出回っているそうです。模造製品は本来の製品に比べ電池寿命がかなり低いそうなので注意が必要です。

【番外編】半永久駆動!? ダミーコイン電池とは

これまでコイン電池CR2032を紹介してきましたが、少し変わったコイン電池としてCyack Labから「DB-R2032」というダミーコイン電池が販売されています。

ダミーコイン電池は通常のコイン電池とは異なり、外部から電源を供給できるものになります。

形状はCR2032の形状を踏襲しており、ダミーコイン電池とACアダプター等を接続することで、外部からの電力を供給源としコイン電池駆動の製品を動作させることができます。

ACアダプター等の外部電源から電力を供給することができるため、コイン電池駆動の製品を半永久的に動作させることができます。

ダミーコイン電池はコイン電池駆動製品の検証や開発用途におすすめです。

また、コイン電池の交換コストを抑えたい方にもおすすめできます。

ダミーコイン電池「DB-R2032」の詳細はこちらから

ダミーコイン電池の改善事例はこちらから

まとめ

今回はエンジニア向けにコイン電池の選ぶポイントを紹介しました。

この記事を参考に製品にあったコイン電池を選定していただければと思います。