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屋外のIoT事例

みなさんこんにちは、Cyack Labの藤原です。
今回は屋外のIoTについての情報を皆さんと共有したいとおもいます。
屋外のIoT事例と一緒に需要の調査や屋外のIoTをスモールスタートで始められるソーラーパネルの紹介もありますので是非最後までご覧下さい。

屋外のIoT事例

水田とIoT

深水管理

皆さん水田の深水管理という技術をご存知でしょうか?
深水管理とは簡単に言うと田んぼに水を多く入れ水を張ることです。
田植え後に苗を寒さから守るために行い、根の発育や肥料の吸収力保持し、雑草の発育を抑える効果があります。
しかし、この深水管理はただ水を多く入れれば良いというわけではなく、苗の状態や温度、深水管理を行っている期間等で水位を調整する必要があり、管理にコストがかかります。
とても手がかかる管理ですが、管理不足になってしまうといざ収穫したものが小粒であったり、品質の悪いものになってしまい売上も減ってしまいます。

水位センサーの導入

管理コストがかかる深水管理を水位センサーを導入することで、水田の水位を見に行くコストを減らすことができます。
また、合わせて水温や気温等も記録し収穫後の品質と比較することで、感覚での調整からデータを基にした調整で品質の改善を行うことができます。
実際に水位センサーを導入した農家の人で見回り回数が65%減少したという報告もあり、費用対効果もみられています。

潅水作業とIoT

潅水作業

潅水作業とは農作物に水を注ぐことで、農作物を育てるために水やりは多くの農作業で行われていることだと思います。
この潅水作業も農作物毎にノウハウがあり、経験に裏付けされた潅水タイミングや回数、時期で品質の向上や維持を行っています。
幅広い面積の潅水作業を行うと労働コストも多くかかりますし、潅水しないといけないかどうか確認する手間も多くかかります。また、労働コスト削減のため潅水チューブ等を使用した潅水設備を設置したとしても、潅水するためにバルブを開ける動作は手動であったり、潅水タイミングや回数は個人の経験に基づいて行われている所もまだまだあります。

土壌センサーの導入

土壌センサーを導入することで潅水タイミングや回数を最適化し、労働コストの削減を行うことができます。土壌センサーから土壌水分量を数値で把握することができ、わざわざ現場へ見に行かなくても潅水の必要性があるかどうか判断することができます。
また、土壌センサーにはpHやEC(電気伝導度)を測定できるものもあり、土壌の酸性度を調整する必要があるかどうかや、施肥作業(肥料をあげること)が必要があるかどうかも数値で把握することができます。数値データを基に潅水作業等を行うことで、品質の安定化や向上を目指すことができます。
潅水作業等は土壌センサーの導入により自動化も進んでおり、労働コストが90%以上削減できた例もあるそうです。また、施肥作業の最適化により肥料代の削減に貢献できた例もあります。

養殖業とIoT

養殖場の状況を確認する作業

養殖業はのりや牡蠣養殖等の無給餌養殖とブリやマグロ養殖等の給餌養殖に多く分けることができます。
無給餌養殖では稚貝を付着させる時期を検討したり、成長に合わせてイカダを移動させる時期を検討することがあります。これらの時期を間違えると品質や収穫量に大きな影響を与えます。
そのため、養殖業者の方は水温や塩分濃度等のデータを計測しに養殖場へ出向く作業が必要になり、何度も養殖場へ水温等を確認する作業は非常に手間がかかります。
給餌養殖では餌代が支出の60~70%ほど占めると言われており、給餌量の最適化が非常に重要になってくると言われています。

各種センサーを組み込んだブイの導入

水温や塩分濃度、溶存酸素濃度等のセンサーを組み込んだブイを養殖場に導入することで、養殖場へ出向いて水温等の計測していた作業コストを削減することができます。また、取得したデータと収穫量や収穫後の品質と比較することで、品質の向上や収穫量の増加を目指すことができます。
給餌養殖では餌代が支出の大半を占めるため給餌量の最適化が重要です。水温や溶存酸素濃度によって魚の活性は大きく変わり、餌を食べる状態かどうか判断する指標としてセンサーのデータを活用できます。また、実際に水中の動画を確認することで魚が餌を食べているかどうか確認でき、給餌量の最適化を図ることができます。

屋外のIoT事例参考サイト

様々なサイトから屋外のIoT事例を見ることができますが、問題点や導入後の結果等より詳しく紹介されているのは農林水産省等から紹介されている事例がおすすめです。
しかし、農林水産省のトップページから事例を見つけるのは、事例以外の情報も多いため少し大変です。以下に事例を紹介しているページのリンクを貼っていますので参考にしてみて下さい。

屋外のIoT需要を知る方法

屋外のIoTでどのような需要があるか知りたいが、農業や水産業、林業等に携わっておられる人と交流がないと情報を入手することが難しいかと思います。
需要を探る1つの方法としてキーワード検索から探る方法があります。
上記で事例の参考サイトとして紹介した農林水産省で紹介されている事例を見ると、深水管理や潅水作業等のキーワードを知ることができます。
そのキーワードをさらに検索することで実際どのような作業をしているのか知ることができ、業界が違えど需要を知ることができます。
また、検索する中で新たなキーワードを知ることもあると思いますので、そこからさらに検索することでより深く理解することができると思います。

屋外のIoTはほとんどソーラーパネルを搭載

屋外のIoTはセンサーの駆動もデータを送信する無線機器もほとんどがソーラーパネルで駆動できるようになっています。
屋外で電源を取ることは屋内と比較するとかなり難しく、電源ケーブルを屋外へ引っ張るのもかなりのコストがかかります。また、屋外は雨の問題もあり電源部分は防水性能や防塵性能も求められてきます。
そのような屋外でソーラーパネルは設置場所が自由で、最初から屋外で使用されることが想定されているため防水や防塵機能が備わっているものが多いです。
ソーラーパネルは大型なものから小型ものまで幅広く存在し、求められる電源の容量に対して柔軟に選定できるかつ手軽に使用できることがメリットと言えると考えられます。

スモールスタートで始めるソーラーパネル

実際にソーラーパネルを購入しようとすると、50W~100Wほどのソーラーパネルはキャンプや災害用途でも需要がありいろいろな物を見つけることができます。
しかし、センサーの駆動等で使用したい小型の物はなかなか見つからず、見つかったと思ったら少し怪しげな激安ソーラーパネルだったこともあるのではないでしょうか?
今回は小型ソーラーパネルで既に充電機能や出力制御機能が搭載されたソーラーパネル「Sun Power Installer」を紹介します。
Sun Power Installerは300mWの小型ソーラーモジュールになります。
大きさは67.5mm×41.0mmで厚みが7.5mmと12.2mmの2種類あります。
この機器はソーラーパネル単体ではなく充電機能も標準で搭載されているため、別途バッテリーを準備する必要はありません。また、出力制御機能も標準で搭載されているため、開発コストを抑えたスモールスタートで屋外用IoT機器の開発が始められます。
Sun Power Installerの製品情報はこちら
Sun Power Installerの購入はこちらから

最後に

今回は屋外のIoTについて紹介しました。
水田や潅水作業に関するIoTの事例を紹介しましたが、詳しく事例を調査したい方は農林水産省のHPで紹介されている事例がかなり詳しく紹介されているので参考にしてみて下さい。
屋外のIoTでは電源の問題もありソーラーパネルを活用している企業が多いです。小型のソーラーパネルはなかなか見つけることが難しいかもしれませんし、見つかったとしてもそこから充電機能部分や出力制御部分を開発しようとすると多くのコストがかかってしまいます。
今回紹介したSun Power Installerを使用することで、開発コストを抑えながら屋外のIoT機器の開発を行えます。
現在若い人たちが農業に目を向けていたり、農業に新たな注目が浴びています。
今後新たな風が農業に吹き込むことで、どのような進化が起きるのかも注目していきたい所です。